twilog まり(@mrmlmary)

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交差【イヴァンEDイヴァジャンイヴァ6】

今回えろありません。


**************

「お疲れ。二人とも」
「イヴァン!!ルキーノ!!」
 ベルナルドの労いの言葉。ジャンの顔がぱっと明るくなり、二人に抱きついてきた。
 あれから10分後、計画通りベルナルドの援軍が駆けつけて、敵は散っていった。イヴァンとルキーノは無事に帰還を果たした。ルキーノの左腕は、車内で応急手当をした。
「大丈夫か?ルキーノ」
「掠り傷さ…」
 しかし、ルキーノの額には脂汗が浮いていた。
「敵は確定した。今日はもう遅い。これで解散。各自休んで、また明日からどう動くか決めよう」
 ベルナルドの一声でこの日はこれで解散となった。

 ルキーノの左腕は吊るす程度ではないが、しばらく仕事を抑制することとした。
 ジャンは今回の働きに感謝し、5人で久しぶりに食事をしようと誘った。もちろん4人は二つ返事でOKした。
 今夜はボンドーネ家縁のリストランテでディナーだ。
 ルキーノは、リストランテの出入り口と非常口計3ヶ所とリストランテが入っている建物の周辺に部下を配置するようにジャンから指示を受けた。
 ルキーノが到着した頃には、ジャン、ベルナルド、イヴァンがすでに来ていた。
「お前たち、早いな」
 広いリストランテは個室を使用せず、ワンフロアを貸切にしていた。リストランテ内には一人の部下も立ち入らせないとのことだった。
 ルキーノは空いていた席、ジャンの向かいでイヴァンの左隣の席に座った。
「ジュリオは?」
「ん?ちょっと用を頼んである。遅れてくるから、先始めよーぜ」
「…ああ…」
 ルキーノはある妙な感覚、違和感を感じた。
 せっかくの再会と宴に水をさすのも…な。
 ルキーノは意図的にその感覚に蓋をした。
 「ワオワオワーオ」
 アペリティフとしてオーダーしたスパークリングの泡にジャンの目がきらきらと光った。ふと見せる無邪気さはカポになった今でも変わらない。
 ルキーノはトマト味のオーソドックスなリゾットが思いのほか美味しく、気に入った。
 酒も食事もうまかった。この場にいないジュリオは酒を嗜まないため、全員でワインを空けた。
 最高のものを少しだけ、のベルナルドも満足できる赤ワインだった。
「肉うめー」
 イヴァンの語彙は5年経った今でも貧困だった。たぶん、肉にスパイスが効いていて、イヴァン好みのパンチのある味だったのだろう。

 ドルチェが運ばれて来る頃、ジャンに促されてベルナルドが話し始めた。
「次の問題が発覚した」
「…?…なんだ?」
「次はデトロイトの勢力を潰すんじゃねーのかよ!?」
「…」
 ジャンは口を開かなかった。全てベルナルドから言わせるつもりだ。
「ジャンの妻、デル・モンテ婦人に、この旧CR:5メンバーの誰かが手を出したことがわかった」
「―――な!?…まさか…」
「…」
「…」
 オメルタのひとつに、仲間の妻に手を出してはいけない、というのがある。
 ジュリオが来ていない。
「さまかジュリオが!?」
 すでにジュリオが裏切り者として処分されたかとルキーノは一瞬頭をよぎったが、自分で言っておきながらも、それはあり得ないだろうと思った。
「お待たせして、すみません。ジャンさん」
 しかもジュリオはラグトリフとともに程なく現れた。
「指示通り、完了しました。あと、こちら…」
 そう言って、ジュリオは片耳をテーブルの上に載せた。
「「―――!」」
 自ら指示を出したジャンとすでにこの件を知らされていたベルナルドには特に驚いた様子もなかった。
「ご報告します。デル・モンテ婦人はジュリオさんが始末したあと、指示通り車ごと処分しました。警察には事故として明日あたり処理されるでしょう」
「サンキュ、ラグトリフ。失踪届でも出しとくヨ」
 軽やかなやり取りがひと段落すると、ルキーノはさっきから一言も発していない人間に気づいた。
 …まさか…
 ジャンはテーブルの上に肘をつき、組んだ指の上に顎をおいた。伏せていた目を開き、一人の男を見据えていた。
「イヴァン・フィオーレ、オメルタの元、お前を制裁する」
 ジャンの声がリストランテのフロアに明瞭な音で響き渡った。
 沈黙。
「―――待て!…何かの間違いじゃないのか!?イヴァンは…」
 その沈黙を破ったのはルキーノだった。
「何とか言え!イヴァン!!」
「…」
 イヴァン唇は全く動かなかった。
 ルキーノの頭の中には昨日一緒に銃弾の雨を耐えたイヴァンが蘇る。ジャンのために命を張ったイヴァン。そのイヴァンを信頼しているかのように見えたジャン。イヴァンとルキーノを引き付け役にしたのは、そのまま死んでも特段問題ではなかったから、ということだったのか?
「ベルナルド」
 ジャンが声をかける。
「…」
 ベルナルドが無言で立ち上がり銃をイヴァンに向けた。
「―――やめろ!!…ベルナルド…!」
 咄嗟にルキーノはベルナルドにブローニング・ハイパワーを向ける。と、ほぼ同時に、
「やめるのはお前だ、ルキーノ」
 ジュリオが仕事用の落ち着いた声とともにルキーノの首筋にナイフをあてた。
「…」
 それでもイヴァンは一言も口を開かなかった。
 ベルナルドの手にはルキーノの銃と同じブローニング・ハイパワーの量産タイプが握られていた。
 ルキーノの右手はグリップ強くを握った。
 刹那。
 ジャンが、ただ、顎をくいっと上げた。
 ―――イヴァンが吹っ飛んだ。後ろのテーブルが崩れた。
 硝煙の臭い。
 …ベルナルドが、撃ったのだ。
 火を噴かなかったほうのブローニング・ハイパワーは銃身が震えていた。暫くして、ルキーノはテーブルに銃を叩きつけるように置いた。
「―――…ケ・パッレ…!」
 ラグトリフは動かなくなったイヴァンをすぐさま裏へと引きずって行った。ジュリオはナイフを仕舞う。ベルナルドは足元に落ちた薬莢を拾い、席に着いた。
 ルキーノはテーブルに視線を落とし、引きずられ遠ざかっていく服の擦れた音の方へは振り返らなかった。
「ジュリオ。席空いたから、ドルチェ、一緒に食べよーぜ」
「はい、ジャンさん」
 ジャンの暢気な声とジュリオの嬉しそうな声。ジャンに声をかけられたジュリオは、満面の笑みで空いた席に座った。
 メインディッシュと同様、ドルチェも4人分が出てきた。
「座れよ、ルキーノ」
「…」
 対照的に低く冷たい声がルキーノにかけられた。ルキーノは無言だった。しかし、カポの言葉には忠実に従った。
「んじゃ、明日からの予定~」
 何事もなかったかのように、カポ・ジャンカルロは業務連絡を始めた。
 イヴァンの後釜はイヴァンの隊長から選出し、部下を全て引き継がせる。イヴァンの処分については隊長以下には、ヘマをやった、とだけ伝える。幹部には事実を公開し、ルキーノが手を下したこととする。以上全てを幹部筆頭ルキーノ・グレゴレッティから他幹部へ説明する。
「―――!」
 それで合点が行った。ジャンはもともとそのつもりでベルナルドにブローニング・ハイパワーを準備させたのだ。そして、この制裁にルキーノは抵抗するだろうということも想定内であり、この件を故意に伏せていたのだ。
 ジャンはさらに続けた。他幹部に報告が完了したら、デイバンに入ったデトロイトの勢力を一掃する掃討作戦を行うこととする。
 たしかに、イヴァンのところの隊長から新幹部を選出し、兵隊をそのまま引き継がせれば、デトロイト勢力の掃討作戦にもそう困ることはないだろう。
 ドルチェはほとんど味がしなかった。先ほど食べたトマト味のリゾットはあんなにも重層的な深みのある味だったのに。

 最初の違和感。このテーブルに着いたときの妙な感覚。
 5人で食事をすると言われて来たが、この場にはもともと4人分の椅子しか用意されていなかったことを、ルキーノは思い出していた。
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テーマ : 二次創作小説
ジャンル : アニメ・コミック

コメント

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No title

え・・・・?!(゜д゜)

ありがとうございます

そういう反応をしていただけると、書く方もうれしいものです。

明日もまた今日と同じ時間に更新します。
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