twilog まり(@mrmlmary)

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左手首の男【ベルナルドEDベル誕8】

いつも、お久しぶり、ですみません。

今回はちょっとだけオリジナルキャラクタが出てます。
あんまり気にしないでください。

エロなしです。

******************



 ボスの主な仕事である書類処理業務が無い日も、たまにはある。今晩は珍しく会食もパーティーも無い。そんな夜は他幹部のシノギを一緒に廻る。ベルナルドと一緒の時は電話番をしたり、株価のチェックを手伝ったりする。ジュリオと一緒の時は、ジュリオの仕事が終わった直後、きちんと始末できているか確認をする。イヴァンと一緒の時は港を一緒に廻ったり、女に顔見せをする。
 今晩はルキーノと一緒だ。イヴァンとルキーノのシノギは被っている様に見えるが、実際はそうでもない。二人とも物流をシノギにしているが、イヴァンは川上でルキーノは川下だ。さらに二人とも女を扱っているが、客層がまったく違う。そしてルキーノだけが仕切っているのが男娼とヤクだ。
 オレはルキーノと一緒にルキーノの部下が運転するフォードの後部座席に乗って、外を眺めていた。
 昨日の自分を、思い出していた。
 ベルナルドをめったくたに蹴り付けた自分。無様に床に転がったベルナルドを見下ろしていた自分。進んで下僕に徹したベルナルド。その下僕に誘われ、オレは…。
 足を舐めさせるというのは直接的な快楽とは別で、気分的に快感だった。しかもベルナルドは拒絶しなかった。いや、ベルナルドに導かれたのだ。
 足がどうこうということだけじゃない。蹴り続けるオレを、ベルナルドは当然のように受け入れた。何度蹴ってもまた蹴られに来たのだ。まるでどんなオレでも甘受すると申し出ているかのようだった。
 本当にベルナルドはどんなオレでも全てを受け入れるのか?
 ベルナルドが欲しいものは何だろう。ベルナルドがオレに求めていることは何だろう。
 ベルナルドがオレに欲しいと言った『プレゼント』。ベルナルドが引き出したがっている『オレの欲望』。それは本当に本能のまま顕わにしてもよいものなのだろうか?そんな時もベルナルドはオレを許容できるのか?

 車はすでにルキーノ仕切りの娼館に着いていた。
 オレはルキーノについて店に入った。そこには小奇麗にした男たちがいた。女のような男ばかりだと思っていたオレには少々意外だった。オレよりも小柄な男もいたが、ルキーノぐらいの男前もいた。
 なるほど。両方取り揃えているワケね。
 さすが、デイバン一の娼館を自負するだけのことはある。
 オレとルキーノは店長の部屋に入り帳簿を確認した。そのままルキーノは店長と最近の景気の話をし始め、オレは男娼が控えている一角に油を売りにいこうと足を向けた。
「『左手首の男』、最近来ないね」
「もう来ないよ、きっと。ステディができたんじゃない?」
 男たちはとある一人の客の話で盛り上がっているらしかった。
 その客はなぜか『左手首の男』と呼ばれていた。
 男たちのうちの一人がひどく項垂れていた。
「来なくなって1年ちょっと、か」
 周りの男たちが口々に『左手首の男』について話し始める。
「いい男だったよね」
「優しかったし」
「眼鏡が似合うインテリ」
「気風も良かったしね」
「ドン・グレゴレッティの知り合いなんでしょ?もう一度呼べないの?」
 オレはなぜか、ある男を連想した。
 ベルナルド・オルトラーニ、CR:5幹部筆頭。
 …まさか、な。
 しかし、ベルナルドが男もいけることは自分が体験済だ。
「その『左手首の男』ってどんなやつ?」
 一斉に波が引いたような反応。男たちは即座に口を噤んだ。
「『左手首の男』ってどんなやつよ?」
 オレはもう一度問うたが、誰一人答えなかった。
 さすが、だな。よく教育が行き届いている。
 たとえどんな相手でも、客の情報は漏らしてはならない。それは男でも女でも、夜を稼業にする者にとっては鉄則だった。
「…申し訳ございません。そのお客様に関してはよく存じ上げないもので」
 一人が口を開いた。オレがカポだと知っているため、シカトを決め込むには無理があるのだろう。
「いや。オレの方こそ悪かった」
 戦略を変えよう。
「ところで、その『左手首の男』を客として取ってたのは、アンタ?」
 オレは先ほど項垂れていた男に目をやった。その男は、顔を上げ頷く。
「アンタ、名前は?」
「ジョバンニ、です」
「へえ、奇遇だな。オレはジャンカルロ。ルキーノ達はジャンって呼ぶよ」
 少しずつ雰囲気が解けてきた。ジョバンニとジャンは由来が同じ名前なのだ。
「本名?んなわけないか」
「付けてもらったんだよね!『左手首の男』に」
 ―――!
 男たちが騒ぎ出す。マズいよ、そこまで言わなくても。いいじゃん、このくらい。
「ジョバンニ。アンタがジョバンニになったのはいつから?」
「2、3年前です。この店に移ってきたときからです」
「へえ。ところで、何歳?」
「26歳です」
 まさか。
「ちょっと立ってみ。オレと並んでみろよ。」
 周りの男たちが言う。身長同じぐらいだね。背格好似てるね。
「ははは。ホント、奇遇だな。オレも26。背も、きっと体重もおんなじくらいだな」
「でも、あなたのブロンドに敵う人なんていません」
 ジョバンニは金髪ではなかった。目も髪も薄い栗色だった。
 それから少しオレ達はおしゃべりをした。何が好きか、何が得意か。もちろん、仕事上の、だ。
 ジョバンニはネコだった。得意ではなかったが、客の要望でサディスト役をやったことがあった、と言っていた。
「へえ。おもしろそうだな。で、なにやるの?」
 サディスト役は仕事でやるのはどうやら大変だそうで、客であるマゾヒストが何を望んでいるかを見極めなければならないのだとか。それは難しいことだな。
「えっと、踏んだり、とか、蹴ったり、とか」
「足技かー」
 昨日、やったこととどう違うんだろうか。
「あとは、縛ったり、絞めたり」
「へー。それが何で気持ちいいんだ?」
 ジョバンニが掻い摘んで解説をしてくれる。
 おしゃべりは楽しかった。

 だが。
 オレは、まさか、を拭い去れなかった。
「ん?どうした」
 オレの視線に気づいて、ルキーノがこちらを見た。オレはルキーノと帰りの車の中にいた。
「あのさ、もし、さ、娼館で、知り合いに会ったらどうする?」
 ルキーノはタバコを取り出し、何でもなさそうに答えた。
「挨拶はする。それだけだ」
 そして火をつけて、煙を吸い込んだ。
「実際に会ったことある?」
 煙を吐き出した。
「さあな」
 ルキーノも守秘義務を怠らなかった。
「…ジョバンニ、いるじゃん」
「ああ」
「オレと、似てるかな…?」
「あいつは金髪じゃないだろ」
「そーじゃなくて。全体的に」
「…似ててほしいのか?」
「…」
 オレもタバコを取り出し火をつけた。
 オレは、何を知りたいんだ?
 仮に、『左手首の男』がベルナルドだったとして、仮に、ジョバンニがオレの代わりだったとして、それを暴いてオレは何を得るというのだろう。
 愛されてた安心感?本物としての優越感?そんなんじゃない。
 『左手首の男』はジョバンニに何を求めたのか?ジョバンニはネコだった。もしかしたらジョバンニにサディスティックな行為を求めたのも『左手首の男』だったかもしれない。『左手首の男』は何が好みだったのだろう。
 オレはベルナルドの嗜好を、知らない。
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ジャンル : アニメ・コミック

tag : LD1 ラッキードッグ1 ベルジャン ベル誕

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